2023.7.5練習ノート

 写真は方舟の作曲者:木下牧子さんです。私は、木下さんの唯一のオペラである「不思議な国のアリス」の上演にかかわったことがあります。2009年のことでした。オペラ自体は2003年に発表されていますが、改訂版とかで、木下さんは毎回のソリスト稽古から練習所に足を運ぶ熱心さでした。とても才能あふれる方で、性格は勝気。誇り高いイメージでしたが、その雰囲気は流れ出る木下さんの気品ある音楽と見事にリンクしてくるのでした。

 木下さんが芸大の学生時代のエピソードがあって、面白いので紹介します。合唱指揮者の鈴木成夫さんが「あなたの曲は素晴らしい。私はあなたを世に出したい」と言ったそうです。すると木下さんは「あなたの手を借りなくても、自分で世に出ます」と答えたそうです。さすが!

 方舟の詩は三島出身の大岡 信で、10代のころの作品です。詩の持つ若く瑞々しい感性が、これまた若き学生時代の木下さんの感性とうまくマッチして、魅力的で独創的な世界が展開していきます。

〈練習曲〉

9月10日の三島市民合唱祭に向けての練習が始まりました。残りの練習回数も少ないということもあり、組曲『方舟』の4曲目「方舟」にもう一度チャレンジします。抱き合わせの曲は、チルコットのIrish Blessing(2'43")です。

 

1.チルコット / Irish Blessing

 Theは「ザ」ではなく、軽く「ダ」と発音。子音を大きめに発音します(d.t.k.sなど)。33小節のTenの動きに注意。

 

2.木下牧子/『方舟』よりⅣ.方舟

 最初から音取りの確認をしました。音程と音符の長さ、和音の構成、ダイナミックなどに注意してp54まで練習しました。5拍子にはだいぶ慣れて来たのではないでしょうか?東部合唱祭では拍子をとるのに必死な感じがしていましたが、三島市民合唱祭では落ち着いて歌えるようにしたいです。あと、詩の一つ一つの発語にもっとこだわりを持つこと。次回はp55以降を練習します。

 

[次回練習曲予定2023.7.19 18:30~20:45 三島市民生涯学習センター3階講義室]

①チルコット/Irish Blessing

②木下牧子/『方舟』よりⅣ.方舟(p55以降)

時間があったら

③チルコット / The Lily and the Rose (27小節まで言葉付け)

④木下牧子/『方舟』よりⅢ.夏のおもひに (最初からp34の29小節まで)